2012年4月27日金曜日

セイジさんの話


『ロックンロールが降ってきた日』、まずは3刷りが決定しましたこと、
心よりお礼申し上げます。
2刷り完成分は順次配本されているようなので、
お待ちいただいている皆さま、
申し訳ございませんが、もう少しお時間ください。

本を手にしてくださった方が、
お目当てのアーティストだけでなく、全てのページを読んだり、
読もうとしてくださっていることが何より嬉しく思います。

では、今日はギターウルフ・セイジさんのお話を。

セイジさんの取材は、2月上旬にDUM-DUM OFFICEで行った。
ここは、セイジさん自らも内装を手がけたという
味のあるオフィス兼セレクト・ショップだ。
高円寺にあるので、
機会があったらぜひ覗いてみてください。

取材当日、セイジさんはもちろん、
ステージの上と何ひとつ変わらない格好で現れた。
革パン、革ジャン、サングラス。
ファンの方は周知のことだが、
セイジさんは寝る時だってサングラスを外さない。
いやーカッコいいなぁ。

本を読んでいただいた方はおわかりかと思うが、
セイジさんはエピソードの塊のような人生を過ごしている。
いや、振り返ってみたら、たくさんの出来事だらけだった、
という方が正しい。
何しろ、ご本人たちも知らない間に
ギターウルフは世界デビューを果たしていたのだから。
こんなバンド、他にいるだろうか。
それに、爆音へのこだわりは世界一だろう。

取材中のセイジさんは
あの低い声で、自分の衝撃を
一つひとつ、噛み締めるように話してくださった。
ステージ上でアクションを決める瞬間のように、
身振り手振りを加えながらのロックンロール談。

ツバキハウスの話を語るときには
まるで今、パンクと出会ったかのような興奮をともなって。
リンク・レイとの出会いを語るときには
リスペクトを込めた口ぶりで。
メンフィスでの思い出を語るときには
なんとも言えない苦笑いのような表情で。
あの事件の話は今だから笑えるけれど、命がけのエピソードだ。

そして、本書で話している「何かを!」という部分は、
セイジさんが一番力をこめて発してくれた言葉だ。
手には、ぐっと拳が握られていたのを私は見た。
今でも、セイジさんのその言葉、口調が耳に焼き付いている。
これは、セイジさんがその「何かを!」に出会った物語だ。

サングラスの奥の瞳は、終始輝いていた(ように思う)。
時には、遠くを見つめていた(ように思う)。
過去のことを話しつつも、
きっと、誰も見たことのないその瞳には
ウルフの音楽を宇宙で鳴らす夢を映し出しているのだろう。
サングラスの奥のセイジさんの瞳は、もはや聖域だ。
そんなことを思った取材時間だった。

ちなみに、掲載した写真はそのオフィスで撮影したもの。
実は本書の撮影は、予算の関係でほとんどを森内と私で撮影させてもらった。
二人で一眼レフのカメラを購入し、それを持って本の取材に向かったのだ。
ソファーでのカットのほかに、立ちスタイルでも撮影したのだが、
そのカッコよさにどんどんシャッターを切りたくなった。
とくにポーズを決めているわけではないのに、
立っても座っても、どの角度からもセイジさんからは
ロックンロールの匂いしかしない。
手前味噌で大変恐縮だが、
セイジさんのカットは
どれもがロックンロール・フォトジェニックに仕上がった。
(すべての方をうまく撮影できたわけではありません。悪しからず)

ロッキンローーール!
(秋元美乃)




タイトル:ロックンロールが降ってきた日

収録アーティスト:浅井健一、大木伸夫、加藤ひさし、甲本ヒロト、セイジ、チバユウスケ、仲井戸麗市、成田大致、平田ぱんだ、古市コータロー、真島昌利、増子直純、ムッシュかまやつ、山中さわお、ROY
(五十音順・掲載順とは異なります。掲載順は成田大致さんから始まりムッシュかまやつさんまで、デビュー日が遅い順になります)

編集:秋元美乃、森内淳
表紙イラストレーション:浅井健一
装幀:三浦巌

内容:ミュージシャンがロックンロールに出会い、人生を変えていく様子や音楽に、楽器にのめり込んでいく過程を取材、モノローグ形式で掲載(Q&Aではありません)。ケータイにCMソングを一曲ダウンロードして5回聴いて消去する時代に、忘れ去られようとしている「音楽の深さ」や「尊さ」、「楽しさ」、「音楽を聴くことの素晴らしさ」を、この本に収録しました。

体裁:336ページ・2段組、ハードカバー
モノローグ形式(Q&Aではありません)
発行:Pヴァイン・ブックス
ISBN-10: 490670025X ISBN-13: 978-4906700257
価格:2,500円(税込・税抜価格2,381円)

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